心臓病と検査について
健康で生き生きとした生活を送るためには心臓の健康も不可欠です。伴侶動物の寿命が延びたことや獣医療の進歩などから、心臓病も多く発見(診断)されるようになりました。
ここ数年で大規模な調査が行われ、正しい診断と適切な治療もだんだん明確にされてきています。生まれながらに心臓に障害を抱えてしまった場合は手術なども行われ、高齢になってから心臓病(弁膜症)になった場合は薬を飲んで進行を遅らせる治療も行っていきます。
言葉を話せない動物たちの心臓病を早期に発見する方法は、動物病院での丁寧な診察が必要です。子犬や子猫のワクチン接種のときや5〜6歳になったら心臓の検診を受けることをお勧めします。
このような症状があればすぐに検診を受けてください

- 興奮したときや散歩中によく咳をしたり呼吸困難になる
- 興奮したときや散歩中に倒れたことがある
- 最近、散歩の距離が短くなった
- 動きに機敏さがなくなった
- 胸に手を当てると心臓がバクバク言っている
- 心雑音があると言われた
- 子犬、子猫では他の子と比べて成長が悪い
実際の検査の流れ
- 問診
- 心臓病の症状に関してご家族からお話を詳しくお聞きします
- 身体検査
- 頭から順番にしっぽまでくまなく触って異常を見つけます。特に血液の循環状態に関して慎重にみていきます。
- 聴診
- 聴診器を使って心臓の音や呼吸の音を聞いていきます。心臓からの雑音は心臓病を疑う所見です
- 心電図検査
- 不整脈を見つけるための検査です

- X線検査
- 心臓の形や大きさを調べる検査です。また肺や気管などの状態もわかります

- エコー検査
- 心臓の動きや内部構造、異常な血液の流れを調べます。

犬の心臓病
- 1. 僧帽弁閉鎖不全症(弁膜症)
- 犬で最も多い心臓病です。中齢以降の小型犬に多くみられる心臓病で、心雑音があることで気がつきます。初期段階では心臓病の症状はみられません。このことからも動物病院での診察が重要になります。
この心臓病が診断されたら出来るだけ早く治療を始めることが大切で、心臓病の進行を遅らせることができます。心臓病の重症度や治療方針を決めるために心電図検査やX線検査、エコー検査などを行います。その結果から適切な治療方針を提案させていただきます。心臓病の進行状況を定期検査により把握して,重症度にあわせて治療内容を調整していきます。
- 2. 拡張型心筋症
- 大型犬に時々みられる心臓病で、心雑音が出ないこともありますので診断は要注意です。心臓の収縮力が悪くなり腹水や胸水が溜まったり、運動量が急激に少なくなったりします。症状がみられない初期の段階では麻酔中に心臓病が悪くなって危険な状態になることもあります。
診断方法はやはりX線やエコー検査で行います。大型犬で麻酔の必要な状況や健康診断の一環として心臓の検査を受けることをお勧めします。
猫の心臓病
- 1. 肥大型心筋症
- 猫の心臓病ではこの病気がよくみられます。心臓の筋肉が厚く硬くなって動きが悪くなってしまいます。この心臓病も心雑音が出ないこともあります。また猫自体の心臓病の症状が犬ほどわかりやすくないので、診断時に既に重度の心臓病になっていることが多いです。
偶然発見されることもあれば腹水や胸水、肺水腫(肺に液体が溜まった状態)から心臓病が疑われ、心電図やX線、エコー検査などで確定診断されます。診断後は犬と同様に重症度に応じた治療法を提案していきます。また、言うまでもなく定期検診も重要です。


















